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2009/06/02

Alliance - 16 勝利と悲劇

 ロンドン、ワシントン、ノルマンディ、パリ、ワルシャワ
 1944年6-9月
ーみなにとっての喜びの源泉    スターリン


 6月9日午前4時、「OK、レッツゴー」、アイゼンハワーが命令をくだした。5千隻の船舶、60万の兵員を動員した海峡横断の一大作戦の火蓋が切られた。前夜、チャーチルは妻のクレメンタインと二人だけの夕食を摂った。「ねえ、わかるかい、きみが明日の朝目を覚ますまでに2万人が死ぬのだよ」と告げた。モロトフに第二戦線を約束してから、丁度2年が経っていた。
 一時孤立主義者であった、大統領の従兄弟、セオドア・ルーズベルト・ジュニアも最長老として最初の連合軍の上陸部隊に参加していた。かれはカーン、シェルブール地区の軍監に就任したが、まもなく心臓麻痺で急逝した。
 大丈夫といわれて、チャーチルもマーシャル、ブルックたちと視察に赴いた。前線から5キロほど離れたモンゴメリー将軍の司令部で昼食を摂ったあと、もう少し奥へ向かったとき、隠れていたドイツ兵2名が一行を狙撃することより降伏する方を選んで、森の中から現われ出てきた。
 チャーチルは、ギリシャを共産化しない協定をスターリンと結びたいと思っていた。スターリンに異議なく、そのかわり、ルーマニアでソビエトが主導的役割を果たすことになった。
 トーチ作戦から外されたド・ゴールがノルマンディ作戦のことを聞かされたのはDデイの二日前だった。かれは怒り、連合軍の道案内をする200名の自由フランスの兵員提供を拒んだが、思い直した。かれは古いノルマンの町、バイユーで凱旋将軍として迎えられた。その後ド・ゴールはワシントンを訪問し、ルーズベルトと会談した。かれはフランスを除く4国による警察軍構想に反対した。ルーズベルトは、フランス人は将来の政府について、自由に選択できる、この点で、ロンドンのフランス委員会が一時的な民政の権限が与えられる、というところまで譲歩した。アイゼンハワーは、8月24-25日のパリ入城にあたって、フランス軍を首都行進の先頭にたてた。チャーチルはパリ訪問の招きを受けて、感傷的な滞在をし、その独特なフランス語を喋りまくった。
 7月20日、陰謀者たちがヒトラーを爆弾で殺害しようとした。日本では小磯国昭が首相を拝命した。ルーズベルトは、民主党大会で4期目の大統領候補に選ばれた。ルーズベルトの健康問題からすれば副大統領候補の指名は重要であるはずだったが、実力評価よりも党内力学で、ハリー・トルーマンが選ばれた。共和党の対立候補は、エネルギッシュなトマス・デューイだった。選挙戦は熾烈だったが、4大国代表はダンバートン・オークスに集まって戦後の国際機構を練っていた。ソビエトの首席グロムイコの執拗な主張で、機構が独裁制にならぬよう、決定は全員一致、すなわち常任の大国は拒否権を持つことが認められた。ルーズベルトは、フランスが常任の席を持つことを認めた。
 6月22日、バルバロッサ作戦3年目の記念日に、赤軍は、ナポレオンを打ち破った偉大な帝政ロシアの将軍バグラチオンの名を冠した一大攻勢を開始した。170万の兵員、6千の航空機、2715台の戦車、2万4千の砲車、7万台のトラックが動員された。8月初めには、ソビエト勢力はバルト海のリガ、東プロシアを経由してワルシャワ近郊に迫り、南はハンガリー国境にまで拡がった。
 飛行機事故で死んだシコルスキのあとを継いだ、ロンドンのポーランド亡命政府の首相、スタニスラフ・ミコワイチクはルーズベルトと会談していた。ルーズベルトは、進軍しつつある赤軍とポーランド地下組織の協力関係の育成をねがい、モスクワとよく協議するよう勧告した。ソビエトはすでに占領したルブリンに、自らの傘の下に組織した共産化された解放委員会を保有していた。モスクワを訪れたミコワイチクにモロトフは、何しにきたのか?と聞き、スターリンに会わせるのに3日待たせた。ワルシャワから市民を強制連行する、というドイツの脅威で、8月1日、ワルシャワ蜂起が勃発した。亡命政府がホーム・アーミー(国内軍)を指導した。しかし赤軍は、ヴィストラ川の東で進撃を停止した。スターリンの命令だったがこれは秘匿された。ワルシャワ蜂起は市民20万が犠牲となる、第二次大戦中最大の悲劇の一つとなった。イギリスはイタリアから発進した航空機によってワルシャワへの物資投下を試みたが、3分の1は撃墜された。ドイツを爆撃していたウクライナの飛行場使用は、ソ連の外務次官ヴィシンスキーが同意しなかった。「ソ連政府が手を染めていない純粋な冒険」である、というのがその理由だった。ルーズベルトもこの件でスターリンとの関係悪化を避け、動こうとはしなかった。
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