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2010/09/23

Human Smoke 26

NYT 1941年8月8日
NYT 1941年8月9日

 日本人は自分たちが包囲されていることを実感していた。1941年8月7日、ジャパン・タイムズ・アドバタイザーに次のように載った。「まずシンガポールに大基地が建設され、英本国と英連邦から大軍が増強されている」。「そしてここを核として、米軍基地と連なるフィリピンの西方、南方へマレーとビルマ方面へのおおきな環(リング)が形成されている。それはタイの半島で途切れているだけである。いまその部分、ラングーンへ向う狭隘部も包囲網に組み込まれようとしている」。
 ルーズベルトのいう「太平洋の壁」とか、英米連携の包囲網には正当性は認められない、と新聞は続けた。
 国務長官、コーデル・ハルは、そんなことは聞いたことがない、と言った。日本が包囲されている、というのは自分で自分を包囲している、ということではないのか、と。

ウィンストン・チャーチル「第二次世界大戦第三巻:大同盟」
モーリス・マートロフ、エドウィン・M・スネル「連合軍戦略計画1941-1942」
NYT 1941年8月15日
ヘンリー・H・アーノルド「『ハップ』アーノルド将軍の第二次大戦日記」
ロバート・E・シャーウッド「ルーズベルトとホプキンス:内緒の話」

 チャーチルとルーズベルトは大西洋上で密かに会った。1941年8月9日のことである。チャーチルはスカパ・フローからプリンス・オブ・ウェールズー英国の最新鋭軍艦の一つーで出港した。艦内では、ホーンブロワー海軍大佐に読みふけり、「とっても面白い」と言った。フランクリン・ルーズベルトはUSSオーガスタに座乗し、ニューファンドランド沖合いでチャーチルを待っていた。プリンス・オブ・ウェールズの後甲板では英米の両国旗を飾った説教壇で、二人の従軍牧師がミサを行った。チャーチルはすっかり感動した。チャーチルとルーズベルトはいっしょにアップル・パイを食べた。ルーズベルトの方の乗組員はイギリスの兵員にギフト・ボックスを配った。それぞれには、200本のタバコ、リンゴ、オレンジが少し、それにチーズが半ポンド入っていた。ルーズベルトは、ハイドパークでクリスマス・ツリーを育てて、それを売るつもりだ、という話をした。かれらは数日間話し合い、お世辞を言い合った。その間、それぞれの随員たちーカドガン、ビーバーブルック、チャーウェル、ハップ・アーノルド、国務次官のサムナー・ウェルズーも交歓し合った。すべてが終わったとき、かれらは、かれらに不釣合いな書面を記者たちに渡した。
 書面は、大西洋憲章と呼ばれるものだった。それは八条からなり、「平和を愛する諸国民」という言葉が使われていた。カドガンが起案し、チャーチルが完成し、ルーズベルト側が二三を加えたものだった。奇妙なことだが、八項目の憲章の原則は、ルーファス・ジョーンズの「ダイナミックな平和」のパンフレットの六項目からほとんどが取り入れられているようだった。
 ルーファス・ジョーンズは、すべての国民は「基本的原料について平等な入手が約束される」としているが、大西洋憲章では、「貿易と世界の原料について平等な条件が約束される」となっていた。ジョーンズの表現で「各々の国家は、国民の望む政体造りに自由を保有する」となっているものが、憲章では「各々の国民はそのもとで暮らす政体の形を選ぶ権利を有する」となっていた。(この部分は、ガンジーとネールがとくに注意深く読んだ。)ジョーンズは、いかなる国家も「その目的のために軍事力を行使」してはならない、と言い、憲章は、「世界のすべての国家は、実在論的理由によると、精神論的理由によるとを問わず、実力行使を放棄しなければならない」と述べている。
 平和に関する条項を別として、チャーチルが大西洋会談で望んだのは、日本に対するアメリカのもっと厳しい言葉だった-日本がこれ以上南進すれば、英米が並行して対日宣戦布告に踏み切ることをいとわない、といったようなー。そしてもう一つは対英武器援助を削減しないことの確約だった。前航空相のマックス・ビーヴァーブルックを連れてきた理由は、その武器貸与問題にあった。ロシアが現状激しいドイツの攻撃を受けているてめに、スターリンが武器貸与の流れの方向を変えないことの確証が必要だったのである。重爆撃機はまたもやリストの一番上に乗った:「イギリスはわが生産能力以上の6千機を要望している」、とアーノルドが書いている。
 チャーチルは大成功だった。かれはロンドンに電報を打った。「ロシアは粗末な食事の方のお客になった」。ルーズベルトは各自に対する軍需物資レンド・リース(武器貸与)の増額50億ドルを諮っている。「即刻ライフル15万挺が送られてくる予定だ。重爆撃機と戦車の数の見直しにも期待が持てる」、とチャーチルは綴った。「みなに、わたしが良いお使いをしてくれた、と思って貰えるはずだ」。
 ルーズベルトのスピーチ・ライターの一人、ロバート・シャーウッドが書いている:「ホルダー付きシガレットと長い葉巻が同じマッチから火を点けたことは間違いない」。
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