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2010/09/08

Human Smoke 22

マーガレット・ゴウィング「イギリスと原子力エネルギー、1939-1945」
 博物学者、チャールズ・ダーウィンの孫のチャールズ・ダーウィンは、ワシントンDCで、モード・リポートと称する報告書に目を通していた。1941年7月16日のことだった。ダーウィンは物理学者で、MITのヴァンヴァー・ブッシュとハーバードのジェームズ・コナントが統括する兵器の研究に協力するイギリス側の、英国中央科学研究所の所長をつとめていた。タイプ打ちされたモード・リポートは、濃縮ウランから爆弾を製造する可能性について、簡潔に、わかり易く、また熱心に述べていた。
 「確信より懐疑を以てプロジェクトに取り掛かったことを強調しておきたい」、と報告者たちは述べていた。「研究を重ねて行けば行くほど、大規模な原子エネルギーの解放が可能であり、きわめて強力な兵器となり得ることが確かめられた」。濃縮ウラン僅か25ポンドで、TNT爆弾1800トンに匹敵する爆発力を持つ。同時に「膨大な放射性物質が拡散し、投下された周辺は長期にわたり人間が住めなくなる」。
 かれらは爆弾の製造を望んだ。帝国化学会社が協力を申し出た。「1ポンドあたりのコストは大変なものとなるが、従来の爆弾と比較すれば、放出されるエネルギーにおいてきわめて好ましい」、と報告者は記していた。しかし、費用の節約が主要な問題ではない、ー問題は、それが惹き起こす大量破壊、倫理的な効果、空軍の効率化にある。報告者たちはこの爆弾の製造に努力を傾注すべきである、と結んだ。
 報告を読んだダーウィンは衝撃を受けた。かれはハンキー卿に書簡をしたためた。この爆弾が出来上がれば、実際に使用されますか?「わが首相閣下とアメリカ大統領、またそれぞれの幕僚幹部は、たった一発でそれが可能といわれるこの爆弾で、ベルリンとその周辺を焼け野原にする命令をお出しになるのでしょうか?」
 
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