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2009/06/18

Unnecessary War 扉の言葉/序文

扉の言葉(「全訳」)
 できることはすべて行う、全員で戦う、あらゆる紛争に立ち向かう、これらはわれわれの義務であると信じ込んでいる・・・この国の世論には危ういものがある、とわたしは深く思わざるを得ない。これはわが国に対して他国民を刺激するという、危険な原理となるばかりでなく・・・われわれの国力発揮を無理強いするという、より深刻な危険をはらむものである。個人であろうが国家であろうが、力はいかに強くあっても、その力が越えてはならない限度というものがある。それを越えようとするのは気狂い沙汰であり、破滅のもととなるのだ。  
                      ー 1897年 ソールズベリー卿     女王のスピーチ

 ヨーロッパの戦争は、征服されたものの破滅と、征服したものの致命傷に近い商業的転落、疲弊に終わるだけのものである。民主主義とは閣議室よりはるかに復讐心がある。国民同士の戦争には、国王たち同士の戦争よりはるかに恐ろしいものがある。
                      - 1901年 ウィンストン・チャーチル  議会演説


序文(「全訳」)
何がわれわれに起こったのか?

 そして、ふたりが野にいたとき、カインは弟アベルに襲いかかり、彼を殺した。-創世記 4.8

 とにかく、われわれにはっきり見えていることは、今や西欧は逝ってしまったということである。
 たった1世紀のうちに、欧州大陸のすべての偉大な名門は崩壊した。世界を支配したすべての帝国は消失した。イスラム系のアルバニアを除いて、世紀を通じて生き延びるに足りる出生率を持つ国は、ヨーロッパに一つとしてない。世界の人口比でみて、ヨーロッパ人の家系は、3世代にわたって縮小している。食い止められない第三世界の侵食によって、西欧各国の特徴は、救いようもなく変質している。われわれは、地上から緩やかに消えようとしているのである。
 支配の意思を失って、西欧人は、甘い生活(ラ・ドルチェ・ヴィータ)にどっぷり漬かっているうちに、かけがえのない文明に生き抜く意思を失いつつあるように見える。そして、いっとき支配したこの地上をだれが継承して行くのかについて、呆れるほど無関心である。
 何がわれわれに起こったのか?わが世界に何が起こったのか?
 20世紀が始まったとき、西欧はいたるところで最高の存在だった。400年にわたって、探検家、宣教師、征服者、そして植民者がヨーロッパを離れて世界の四隅に赴き、すべての人類に西欧文明の恩恵を齎す帝国を築いていった。ラドヤード・キプリングの詩には、アングロ・サクソン人のとくべつな義務は、「平和のため獰猛に戦う/飢餓のお腹をいっぱいにする/病気を退治する」ことにある、と謳われている。これらの帝国は、自尊の民族の母体となった。
 これらの人々はどこへ行ったのか?
 前世紀のどこかで、西欧人は、自分自身、自らの文明、母体への信義ーのすべてに対する破滅的な信頼の喪失を蒙った。
 西欧においてキリスト教精神が死につつあり、急進的な世俗主義に取って代わられつつあることは、その理由について論議はあるものの、否定できないようだ。しかし、引き続き致命的と目される身体的な傷については議論の余地がない。それは、第一次、第二次世界大戦である。これは30年戦争の二つの局面であって、未来の歴史家は、西欧の大いなる内戦、と名づけることだろう。この二つの大戦争は、西欧の何百万もの最高に勇気あるエリートたちの命を奪っただけでなく、レーニン主義、スターリン主義、ナチズム、ファシズムという狂信的イデオロギーを生み出した。これらイデオロギーの悪政の統治下にあって虐殺された人々の犠牲者数は、10年間の戦場の戦死者をうわまわるものとなった。
 25年前、チャールズ・L・ミー・ジュニアは、自著の秩序の終わり:ベルサイユ1919の冒頭に、大戦と初めて呼ばれる衝撃を:「第一次大戦は想像を絶する規模の悲劇であった。6500万の兵士が動員された。ーそれ以前の戦争に狩り出された人数を数百万上回っている。ーそれは、正義、名誉、国家の誇り、偉大なる理想のための戦いであり、すべての戦争を終わらせるための戦争である、と説明された。そして世界平和と平等の新秩序を作り出すのである。」と書き記した。
 ミーは、屠殺者の勘定書きを詳細に記録する。

  1918年11月11日、戦争終結の休戦協定が調印されたときには、8百万の兵士が戦死しており、2千万以上が戦傷、戦病、四肢切断、ないしガス攻撃による失血症を蒙っていた。2200万の民間人が殺害ないし傷害を受けており、生存者は粉砕され、荒廃した農村、泥まみれになった農場に住んでおり、家畜は失われていた。
 ベルグラード、ベルリン、ペトログラードでは、生き残りのものたちが、かれら同士で戦っていた。-大小、内戦または革命戦争の形で、14の戦争が世界に明滅ないし猛威を振るっていた。

 第一次大戦では、19世紀、欧米で最大の流血であったアメリカの南北戦争の10倍の戦傷死率を記録した。大戦末期に帰還兵を襲ったインフルエンザが、1400万以上の欧米人の生命を奪った。1914年のある1ヶ月、-「世界史のなかでもっとも恐ろしい8月」とアーサー・コナン・ドイルが呼んだー「フランス人の犠牲者は・・・7万2千の戦死者(8月22日の1日だけで2万7千人)を含む26万にのぼった」。フランスは戦い続け、51ヶ月で、130万の息子たちが死んだ。戦傷者、不具者、廃人はその2倍であった。パリ北東の四分円の地域は月の表面のようになってしまった。
 今日のアメリカにあてはめると、戦死8百万、戦傷1600万、オハイオ以東、ポトマック北方の地域が不毛地帯となる。とはいえ、第一大戦の死と破壊は、レーニン、スターリン、ヒトラーのジェノサイド、1939-1945年に、戦争が、イタリア、ドイツ、ポーランド、ウクライナ、バルト及びバルカン諸国、ロシア、そしてピレネーからウラルに至るすべてのヨーロッパに与えたものに比べると、ちっぽけなものになってしまうのである。
 この本が叙述する問題は巨大だが、簡単なものである:この二つの世界戦争、われわれ自らに負わせた致命傷、は、必要な戦争だったのだろうか?またはそれらは選択できる戦争だったのだろうか?そしてもし選択できるものだったとしたら、だれが、われわれの文明の死を促進した、この忌まわしくも自殺的な戦争にわれわれを巻き込んだのだろうか?西欧の死に責任のある政治家はだれたちだったのだろうか?
 
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2009/06/18

Unnecessary War 目次

目次をご紹介します。

 扉の言葉  (ソールズベリー卿、ウィンストン・チャーチル)
序文      何がわれわれに起こったのか?
序章      西欧の大きな内戦
第1章     「光栄ある孤立」の終焉
          和親協商
          新時代に入った
          カイザーを倒せ
          外洋艦隊 
          バランス・オブ・パワー政策
          サー・エドワード・グレイの秘密
          「永遠の友」
第2章     過ぎし夏の日
          「奮い立つ、嬉しい」
          海軍大臣
          シュリーフェン・プラン
          「張り切っているのはウィンストンだけ」
          英国はなぜ戦ったのか
          リベラルはなぜ賛成したのか
          カイザーの罪
          ドイツの戦争目的
          ヨーロッパの百舌(屠殺者)?
          「9月の計画」
          「ウィンストンは本物の危険人物になってきた」
第3章     「復讐心の毒」
          「カイザーを絞首せよ!」
          「地獄の汚れ仕事」
          飢餓封鎖(兵糧攻め)
          「やつらは獣だ」
          ラインランド
          もっとも得をした国
          トリアノン
          ルーマニア
          勝利の果実
          勝利の犠牲
          カルタゴの講和?
第4章     「役立たぬ巡洋艦の群れ」
          友を選ぶ
          はらはらさせる愚策
          ロールス・ロイス ー ロールス・ロイス ー フォード
          スティムソン・ドクトリン
第5章     1935:ストレーザ戦線の崩壊
          南チロルの売り渡し
          ドルフース殺害
          ロカルノ条約
          ストレーザ会議
          ヒトラー=ボールドウィン協定
          アビシニア
          イーデン失墜
          アビシニア戦争
          ホアル=ラバル計画
          チャーチルとムソリーニ
第6章     1936:ラインランド
          同盟国の不作為の陰で
          フランスはなぜ麻痺していたか?
第7章     1938:アンシュルス(独墺合邦)
          ヒトラー=ハリファックスのサミット
          ヒトラー=シュシュニクのサミット
          シュシュニクの再点火
          帰郷
第8章     ミュンヘン
          勝利者
          なぜミュンヘン?
          ベネシュ、ヒトラーを侮辱
          なぜヒトラーに「ノー」と言わなかったのか?
          ミュンヘン問題でのFDR(ルーズベルト)の立ち位置
          フランスはなぜ戦わなかったのか?
          チャーチルの選択肢
          ゴーデスベルグ会談
          宥和(アピーズメント)の失敗
第9章     致命的な失策
          ポーランドの順番
          チェンバレンの回れ右
          英国はなぜそれをしたのか?
          チェンバレンは誤解したのか?
          戦争保証に替わる手段
第10章    エイプリル・フール
          思い違い
第11章    「不必要な戦争」
          スターリンの求愛
          平和の最後の週
          戦争の別の選択肢?
          ポーランド見棄てらる
          第一の受益者
第12章    身の毛のよだつ収穫
          勝者と敗者
          ヒトラーのポグロム
          あり得たことども
第13章    ヒトラーの野心
          ヒトラーの野心
          敗北の教訓
          ヒトラーの夢想の同盟
          海軍 
          東方への視線
          ヒトラーは世界を手に入れたかったのか?
          アメリカは重大な脅威に直面していたか?
          ニューヨーク・ボンバー(爆撃機)
          ナチズムと共産主義
第14章    マン・オブ・ザ・センチュリー(世紀の人)
          装甲列車
          全盛期
          必要不可欠な人物
          勝利の犠牲
          民族浄化と奴隷労働
          軍事戦略家として
          チャーチルの道徳性の進展
          「人の心を持つ狼」
          チャーチルの信念
          「英国を白色に保つ」
          政治家 ー または戦争屋?
          「英国という乳牛からミルクをしぼる」
第15章     英帝国を継承するアメリカ
          必要不可欠な人物
          アメリカはいかに勝利したか
          未経験な道すじ
          チャーチルのわだちを踏む
       
 脚注
 参考書
 索引

    
          
  

    

         
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